長時間の立ち仕事や座りっぱなしで足がパンパンに膨らんだりする

塩分の高い食事や味の濃い食事をとりすぎて翌日顔や手や足がいつもより膨らんだ感じになる

また怪我をした側の四肢が患部の腫れだけではなく全体が膨らんでしまう

肝臓や腎臓心臓の悪い人が手足がふくらんでくる

これらはいわゆる『むくみ』です

むくみは浮腫・水腫ともいい様々な要因で起こるものです

まずは炎症や病的なものではない一般的によく見かけるむくみについて書いてみます

わかりやすい例をあげてみます

ぴったりとしたジーンズをはいて長時間クッション性の低い硬い椅子に腰かけ足をずっと動かさなかったとします

腿の付け根はデニムの生地で締め付けられています

膝の裏側も同じです

お尻は硬い椅子で圧迫を受けています

足に血を送る動脈は基本的に足の中の方を通りまた血管の壁は厚いのでそれほど影響を受けていません

ところが古い血液を戻す静脈は動脈よりは外側に位置することが多く壁も薄くて柔らかく

何より心臓の圧力で血液が流れるのではなく周りの筋肉の圧力が強くなったり弱くなったりすることでポンプの作用が働き血液を送り戻します（この作用をミルキングアクションと言います）

リンパ管にも同じことが言えます

座りっぱなしでじっとしていると足が動いていないので古い血液はなかなか戻ることができません

また所々圧迫もされているのでさらに邪魔されています…なのに動脈からは新しい血液がどんどん送られてきます

そうするとどうなるかと言いますとそのままでは血管の圧力が高まってしまいますので毛細血管はその壁から血液中の水分を外に出します

それらの水分また各組織に行きわたっている体液はなかなか回収して運ばれて行かないので溜まる一方になってしまいます

これが一般的によく見られるむくみの正体です

もう少し専門的に言うと皮膚の下で毛細血管や細小血管の内皮細胞が刺激を受け→血管透過性が亢進→血漿蛋白が血管外に漏出→組織液の膠質浸透圧が上がる→組織に滲出液が貯留…です